遺贈と死因贈与
死亡を原因として財産を無償で渡す行為に「遺贈」と「死因贈与」があります。
遺贈は被相続人(財産を渡す側)の一方的な意思表示で成立し、相手方の同意は不要であるのに対し、死因贈与は贈与者(財産を渡す側)と受贈者(もらう側)双方の合意、つまり死因贈与契約が必要であるという点において異なります。
遺贈ができる人は被相続人となる人です。遺贈をおこなうためには遺贈したい人が遺言でその旨を明らかにしておく必要があります。遺言は必ず書面で作成しないと効力が生じないうえ、法律で定められた形式通りに作成しないと無効となるおそれがあります。
遺言ができるのは15歳以上とされているため、14歳以下の人は遺贈することができません。さらに遺言時に認知症などで意思能力を欠いている人についても遺言の効力が否定されることになります。もらう側には年齢制限はありません。
遺贈される人は被相続人(遺言者)が指定した相手で、自己の意思で遺贈を受けるか否かを選択することができます。
そして受遺者は被相続人の死亡時に生存していることが必要なので、被相続人の死亡前または被相続人と同時に受遺者が死亡した場合には、遺贈の効力は生じません。なお胎児には受遺能力が認められるので、胎児が出生すれば受遺者となることができます。また、相続欠格者は受遺欠格者となり遺贈を受けることができません。
死因贈与は贈与者が死亡したときに贈与の効力が生じる法律行為で、法定相続人であるかを問わず自分の遺産を分け与えることが可能です。贈与者(財産を渡す側)と受贈者(財産をもらう側)の双方の合意(死因贈与契約)がないと成立しません。この契約は口頭でも良いとされ必ずしも書面を作成する必要がありません。ただし口約束(口頭契約)の場合は立証が難しいうえ相続人の同意・協力も必要となり、トラブルの原因となるため契約書等書面を作成しておく方が良いでしょう。
死因贈与は、契約という法律行為であるため18歳以上でなければ単独で死因贈与の贈与者となることはできません。ただし、親権者の同意を得れば18歳未満でも死因贈与の贈与者となることはできます。受贈者となるのは、税金が課税されない範囲であれば18歳未満でも単独で可能です。
遺贈は、遺言を書き替えるだけでいつでも自由に撤回が可能です。死因贈与も贈与者の最終意思を尊重する観点から民法の遺贈の規定に準じて、贈与者の一方的な意思で撤回することができるとされていますが、負担付死因贈与などでは一定の場合に撤回が制限されるため注意が必要となります。
それぞれのご事情等により遺贈や死因贈与を選ぶメリットとデメリットは異なってきますのでご検討の際には専門家にご相談下さい。



