公正証書遺言の作成方法 その2
さて、今日は、前回に引き続き、公正証書遺言の作成方法についてお話しします。
前回は、「1.遺言書の内容を決める」について、お話ししましたね。
今日は、証人についてお話ししていきますね。
2.証人2人以上決める
公正証書遺言を作成するには、公正証書遺言の作成当日に証人2人以上の立ち会いが必要になります。
では、証人って、何のために必要なのでしょう?
証人の趣旨
まず、①民法が、証人を必要とする趣旨は、証人が遺言者に人違いがなく、正常な精神状態のもとで、自分の意思に基づき遺言の趣旨を公証人に口述していることを確認する事です。
そして、②筆記した遺言者の口述が正確なことを確認した上で、これを承認することで遺言者の真意を確保する事です。さらに、③遺言者の真意を確保して、遺言をめぐる後日の紛争を未然に防止する事なんです。
では、証人は誰でもなることができるのでしょうか?
証人になることができない者
証人には、誰でもなれるわけではなく、民法では、証人になることができない者を定めているんです。
- 未成年者
- 推定相続人・受遺者(遺言により遺贈を受ける人)
- 推定相続人又は受遺者の配偶者、直系血族
- 公証人の配偶者・四親等内の親族
- 公証人の書記や従業員
推定相続人とは、将来相続人になる人のことをいいます。
例えば、遺言者が夫で、妻と子が推定相続人になる場合は、妻と子だけではなく、子の配偶者や子の子、つまり孫も証人になれません。
証人は、署名捺印をしなければならないので、自ら署名することができない人は証人になれません。
では、遺言者が夫で、妻と子が推定相続人になる場合は、兄弟姉妹は推定相続人にならないので、証人にはなれますが、証人は、公正証書遺言の内容を知る事になるので、遺言内容の秘密を守る事ができるかという問題がありますね。
そう考えると、証人は、身内ではなく、第三者的な立場の人が証人にならないといけないのですね。
証人になる人が見付からない場合には、当事務所で、証人となる業務を行っておりますのでご相談下さい。
では、次回は、「3.必要書類を準備する」から説明していきますね。
〈参照条文 民法969条、974条、4条、887条、889条、890条〉