財産を相続させるのに、条件を付けるには?
今日は、遺言の書き方のご相談事例をご紹介します。
【Q】
妻の面倒を見ることを条件に、財産の大半を長女に相続させたいのですが、確実に妻が面倒を見てもらうにはどうしたらいいでしょう?
【A】
負担付贈与という方法があります。
遺言書に、負担条件を具体的に書いておきましょう。
妻の扶養や介護を条件に、特定の子どもに財産の大半を相続させることができます。
条件をつけて財産を譲ることを「負担付遺贈」と言います。これは相続権のない第三者にもできます。
法定相続では子どもの相続分は平等なので、
相続分に差をつける場合には遺言書に書いておく必要があります。
遺言書には、負担条件を具体的に記載します。
例えば、
「月々の生活費として、母○○○○に○○万円ずつ支払う」
「週に〇回介護や家事の手伝いをする」
「病院の送迎、付き添いをする」
ここで、「面倒を見る」といった抽象的な表現だと、実行したかどうかで争いになる可能性も出てくるので、具体的にわかりやすく記載しましょう。
受遺者は、遺贈された財産の価額を超えない範囲で条件の履行義務を負います。
受遺者が負担の義務を果たさない場合、他の相続人は負担の履行を催告することができ、相当期間内に履行をしない場合は、家庭裁判所に遺言の取り消しを請求することができます。