自筆証書遺言の作成方法 その1
今日は、自筆証書遺言についてお話しします。
自筆証書遺言は、遺言者が思い立ったときに自分一人で費用をかけずにすぐに作成できるシンプルな遺言ですが、その反面、法律で定められた遺言書の要件が満たされていないと、せっかく書いた遺言書が「無効」になってしまうという危険もあります。
自筆証書遺言を書く場合は、次の4つ要件を押さえておきましょう!
1.遺言者が全て自署する(自分で書くこと)
誰かに代筆してもらったり、ワープロで作成すると「無効」になります。
筆記用具については決まりはなく、鉛筆でも大丈夫ですが、改ざん(書き換えられる)のおそれがあるので、ボールペンや万年筆を使いましょう。
2.作成した日付を書くこと
遺言を作成した日付がないと、遺言書全体が「無効」となります。西暦でも和暦でも、どちらでも大丈夫です。「平成25年6月吉日」などと記載すると、日付が特定できないので、「無効」となってしまいます。
遺言書は、何度でも書き直す事ができます。
前に書いた遺言と、後に書いた遺言で、内容が矛盾する場合は、後に書いた方が優先されます。後に書いた遺言で、前に書いた遺言を取り消したとみなされます。
詳しくは遺言書の日付をご覧下さい。
3.署名すること
戸籍上の氏名を正しく記入しましょう。
印鑑は、どの印鑑でも法律上は問題ありません。認印や三文判でもよいとされていますが、偽造防止のために実印を押印しておいた方が安心ですね。
そうそう。実印で思い出しました。
銀行印や認印、たくさん印鑑があって、どれが実印なのかわからなくなってしまったという方がよくいらっしゃいます。同じような黒い革の袋に入っていたりして、間違えてしまうんですよね。この際、実印はどれなのか、しっかり確認しておきましょう。
せっかく書いた自筆証書遺言が無効とならないよう、この4つの要件は必ず守りましょう!