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会社設立

会社設立

会社を設立するには、はじめに会社の種類を選ぶことからスタートします。

 

1.会社の種類を選ぶ

会社の種類には株式会社、合同会社、合名会社(LLC)、合資会社、一般社団法人、一般財団法人、NPO法人、有限責任事業組合(LLP)など様々な種類が存在します。 ちなみに、有限会社は新会社法施行後、平成18年5月1日以降、設立できなくなりました。なお、平成18年4月30日までに設立された有限会社は『特例有限会社』として存続できます。

まず、最も一般的な会社形態である株式会社、最近増えてきている合同会社(LLC)、有限責任事業組合(LLP)についてご説明します。

 

1-1.株式会社とは・・・

出資者である株主に対して株式を発行することで設立された法人のことです。 最も一般的で認知度が高く信用度も高い会社形態です。

 

1-2.合同会社(LLC)とは・・・

平成18年5月1日の新会社法施行後に新しく設立できるようになった会社形態で、有限責任(出資額の範囲内)を負う社員で構成された会社のことです。原則、出資者自らが業務を執行します。

株式会社と比べ自由な会社運営が可能となっており、定款(会社の規則のようなもの)に定めれば、出資割合にかかわらず損益分配が可能です。また、取締役、監査役、取締役会などの機関を設置する必要がないなどのメリットがあります。

1-3.有限責任事業組合(LLP)とは・・・

平成17年8月1日から活用が開始された新しい事業体です。

民法組合に特例として作られた制度で、株式会社や合同会社などとは異なり、法人ではなく『組合』になります。すべての組合員の同意があれば、出資割合にかかわらず自由な損益分配が可能で、LLPの損失と個人の所得を一本化、いわゆる損益通算をすることができます。この損益通算には節税メリットも期待できます。例えば、個人が黒字で税金をたくさん納めなくてはならないときも出資先のLLPが赤字なら、黒字と赤字(出資金額が限度)が一本化されて黒字部分がなくなり税金を大幅に減らすことができるのです。

  株式会社 合同会社 (LLC) 有限責任事業組合 (LLP)
登録免許税 (設立申請時の税金) 金15万円~ (別途設立費用あり) 金6万円 (別途設立費用あり) 金6万円 (別途設立費用あり)
組織形態 会社法人 会社法人 組合
責任の範囲 有限責任 有限責任 有限責任
会社の信用度 高い 新しい形態のため認知度は低い 新しい形態のため認知度は低い
株式会社への変更 できる できない
内部自治原則 損益の分配は出資額に比例。 機関の設置が必要。 定めがあれば、損益の分配は出資額に比例せず自由。 機関の設置は不要。 定めがあれば、損益の分配は出資額に比例せず自由。 機関の設置は不要。

以上の中から、お客様にあった会社形態を選んでいただくことになります。

 

 

2.株式会社設立手続きの流れ

ここでは株式会社の一般的な設立手続きについて説明いたします。

1.会社設立登記のご相談・ご依頼

 

2.会社概要の決定

 

3-2.類似商号・会社事業目的の適否調査

 

4.印鑑作成

 

5.定款作成・定款認証

 

6.資本金の振込

 

7.登記申請

 

8.会社設立

 

9.会社設立後の諸届出

 

 

3.具体的に定めること

 

3-1.会社の基本事項の決定

Ⅰ.商号
  • 商号には、必ず「株式会社」が入ります。
  • 商号に使える文字には一定の制限があり、漢字、ひらがな、ローマ字、アラビア数字や「&」「,」「‐」「・」等の一定の符号のみを使うことができます。
  • 商標登録されている会社名は避けましょう。大手企業の多くは、自社の会社名を「商標」として登録しているため、同じ会社名にした場合、商標権の侵害としてトラブルとなる恐れがあります。
Ⅱ.事業目的

会社が行う業務を目的として定めます。将来行う可能性のある業務も目的として記載することをお勧めします。あとから追加することもできますが、変更登記をするためには別途費用がかかることになりますので、コストを考えると設立の段階でよく検討しておくことが必要です。

Ⅲ.本店所在地

会社の活動拠点となる場所です。

Ⅳ.事業年度

会社を設立するにあたっては、「一年」という単位を「何月何日から始まり何月何日に終了」という期間の定めをする必要があり、この「一年」の区切りを事業年度といいます。

なお、株式会社には事業年度が終わってから2か月以内に法人税の申告と納付を行う義務があります。確定申告には時間がかかりますから、行う業務の繁忙期と重ならないようにすることをお勧めします。

Ⅴ.資本金の額

株式会社を設立するにあたっては、資本金をいくらにするかを決める必要があります。法律上は1円以上であれば任意に資本金の額を決めることができます。

但し、会社の信用度を示すものの一つになると思いますのである程度の額を資本金とするほうが良いと思われます。

Ⅵ.役員・機関の決定

株式会社には、取締役・代表取締役・監査役・会計参与・会計監査人という役員制度があります。そのなかで、取締役、代表取締役は必ず置く必要があります。その他の役員は置くかどうかを自由に決めることができます。ただし、大会社(資本金5億円以上または負債が200億円以上の株式会社)においては会計監査人を置かなくてはなりません。

また、取締役会・監査役会といった機関を設置することもできます。取締役会を設置した場合は取締役を3名以上置かなくてはならないなどの決まりがありますので、注意が必要です。

最後に役員の任期を決めます。任期は原則2年ですが、会社の内容により最長10年まで伸長できます。

Ⅶ.会社設立日の決定

会社設立日は会社の誕生日にあたりますので、日取りを決められることをお勧めいたします。大安吉日やそのほか良き日を選ぶ方もいらっしゃいます。会社設立日をいつにするかによって準備にかけられる時間も異なってきますので、十分考慮されたうえでご検討下さい。

 

3-2.類似商号・会社事業目的の適否調査

本店の近隣に似たような会社名はないか、また、記載した事業目的に法律上問題はないか、許認可事業をきちんと行えるかどうか調査をします。

 

3-3.印鑑作成

商号調査の結果、問題がなければ新しく作る会社の代表印を作成します。代表印は、『印影の一辺の長さが1センチを超え、3センチ以内の正方形に収まるもので作る』という決まりがあります。また、あまりに簡易な印影になりますと法務局で受理されないおそれもありますので、注意が必要です。

 

3-4.定款作成及び定款認証

会社の概要が決まったら定款を作成します。定款は会社の規則のようなものです。 定款の作成が終わったら定款を公証役場で認証してもらいます。

 

3-5.資本金の払込

定款の認証後、定款記載通りの金額を各出資者が払込を行います。

 

3-6.登記申請

資本金の払込後、決めていただいた日に登記申請いたします。 登記申請は、資本金の払込後2週間以内にする必要があります。

 

3-7.会社設立

登記が完了すれば会社設立です。法務局や時期によって違いますが、1~2週間程度で登記が完了します。その後、登記簿謄本や印鑑証明書を取得できるようになり、会社名義で口座を開設することもできます。

 

3-8.会社設立後の諸届出

会社成立後には、お客様ご自身で、税務署などに税務・労務関係の届出をし、許認可が必要な場合は許認可申請を行うことになります。 まず、法人設立届出書をご提出ください。法人設立届出書は会社設立後2ヶ月以内に提出する義務があります。

届け出書類など、その他詳しい手続きについては、税務署などにお問い合わせ下さい。

以上の流れで会社の設立を行いますが、ここでは簡単に記載しております。

会社設立には「疑問」「不安」がつきもの。実務に精通したスタッフが豊富な経験を基に、お客様のご要望にあったプランをご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談下さい。

 

5.よくある質問

1.被資本金1円で株式会社が設立できるって本当ですか?

はい、できます。 会社法が施行されてからは、資本金1円からでも株式会社を設立することが可能となりました。今までは特例を除いて株式会社は1000万円、有限会社では300万円の資本金がないと会社の設立をすることができませんでした。しかし、この最低資本金制度が廃止されたため資本金1円から株式会社の設立も可能となりました。ただし、資本金制度がなくなったわけではなく、資本金の額として登記簿に記載されますので、会社の財産や事業規模を示す目安にはなると思います。

2.設立したい日が土日祝日になってしまいましたが、できますか? 1月1日を会社設立の日とすることができますか?

いいえ。できません。 会社の設立の日は、法務局に登記を申請した日と定められています。 法務局は、土曜日、日曜日、国民の祝日を休日としており、また、12月29日から翌年1月3日までの日も休日です。登記申請ができないため設立日とすることができません。

3.取締役1名から株式会社が設立できるって本当ですか?

はい。できます。 会社法では取締役1名からでも株式会社を設立することができます。 会社法施行前は株式会社を設立するためには、取締役3名以上、監査役1名以上が必要でしたが、最低人数の規制がなくなったため、1名から柔軟に事業の規模に合わせた役員編成ができるようになりました。

4.もう有限会社は設立できないって本当ですか?

はい。できません。 会社法では有限会社制度が廃止され、有限会社を設立できなくなりました。 しかし、会社法施行前に設立された有限会社は「特例有限会社」という形でそのまま存続することが認められています。 なお、「特例有限会社」は会社法上は株式会社と同じ扱いになりますので、「○○有限会社」から「○○株式会社」への変更は、設立手続きをし直さなくてもすることができます。 (商号変更の手続きによってできます。)

6.プロに頼むというメリット

  • 会社の設立は、お客様ご自身でもすることができます。 しかし、設立手続きについて調べることや公証役場や法務局に足を運ぶことは、大変な労力と時間がかかることになると思います。 私どもにご依頼いただければ、より良いアドバイスをさせていただくとともに、定款の認証や登記をさせていただきます。 当事務所では、定款の作成に電子定款を採用しており、紙の定款で必要になる収入印紙代4万円を減らすことができます。会社設立の登記は当事務所にお任せいただき、お客様には、設立の準備に全力を注いでいただきたいと思います。

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