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司法書士法人 森下法務事務所

相続法改正!配偶者居住権制度と配偶者短期居住権制度について 2019/05/01

今日は、相続法改正の中で特にご質問が多い配偶者居住権制度と配偶者短期居住権制度についてご説明致します。

 

この制度が創設された理由は、配偶者の一方が死亡した場合に、他方の配偶者はそれまで居住してきた建物に引き続き住み続けたいというのが通例でしょう。

 

特に残された配偶者が高齢である場合には、住み慣れた居住建物を離れて新たな生活を始めることは精神的にも肉体的にも大きな負担になってしまいます。

 

また、相続開始の時点で、配偶者が高齢のため自ら生活の糧を得ることが困難である場合も多くなってきていることから、配偶者については、その居住権を保護しつつ、将来の生活のために一定の財産を確保させる必要性が高まり、残された配偶者の居住権を保護するためにこの制度が創設され、2020年7月12日までに施行される予定です。

 

配偶者の居住権を保護するための制度は、(1)遺産分割が終了するまでの間といった比較的短期間に限りこれを保護する制度と、(2)配偶者がある程度長期間その居住建物を使用することができるようにするための制度に別れています。

 

(1)配偶者短期居住権のポイント

 

急な引越しが困難と思われる高齢配偶者を念頭に、配偶者の当面の居住状態を保護する制度です。

 

①配偶者は、相続開始の時に被相続人所有の建物に無償で居住していた場合には、遺産分割によりその建物の 帰属が確定するまでの間又は相続開始の時から6か月を経過する日のいずれか遅い日までの間、引き続き無償でその建物を使用することができます。

 

②遺贈などにより配偶者以外の第三者が居住建物の所有権を取得した場合や、配偶者が相続放棄をした場合など①以外の場合

配偶者は、相続開始の時に被相続人所有の建物に無償で居住していた場合には、居住建物の所有権を取得した者は、いつでも配偶者に対し配偶者短期居住権の消滅の申入れをすることができますが、配偶者はその申入れを 受けた日から6か月を経過するまでの間、引き続き無償でその建物を使用することができます。

 

■配偶者短期居住権制度

(法務省ホームページより)

 

(2)配偶者居住権のポイント

 

従前は、配偶者が相続した自宅での生活を確保するには、配偶者がその建物の所有権を取得するか、その建物の所有権を取得した他の相続人との間で賃貸借契約等を締結する必要がありました。

 

しかし、一般に建物の評価は高額なので、他の遺産についての取得が困難となり、その後の生活に支障をきたしてしまいます。また、賃貸借には他の相続人との間で契約の締結が必要ですが、そのような契約が締結できる保証もありません。

 

そこで、このような生存配偶者の立場を考慮して新たに創設されたものなのです。
つまり、高齢配偶者の居住権を長期的に保護するための制度です。

 

①配偶者が相続開始時に居住していた被相続人の所有建物を対象として、 終身又は一定期間,配偶者にその使用 又は収益を認めることを内容とする法定の権利を新設し、遺産分割によって配偶者に配偶者居住権を取得させることができる。

 

②被相続人が遺贈等によって配偶者に配偶者居住権を取得させることができることにする。

 

■配偶者居住権制度

 

(法務省ホームページより)

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