株主総会議事録の記載事項と押印について 2018/03/26

株式会社の場合、定期的に、また必要に応じて、株主総会を開催する必要があります。

株主総会を開催したら、議事録を作成し、総会の日から10年間、会社の本店に備え置かなければなりません。株主総会議事録の作成と備え置きについては、会社法に定められた法的義務(会社法318条)ですので、滞りなくやっておく必要があります。

登記事項について株主総会で決議を時には、登記申請の際の添付書面となりますし、そうでない場合であっても、後々の揉め事を事前に防止する意味で、総会での決議事項はきちんと記録し、残しておく必要があるからです。

 

それでは、株主総会議事録にはどんなことを記載すればいいのでしょうか。

これについては、会社法施行規則第72条に規定があります。主な記載事項をピックアップしてみますと、次の通りです。

 

●株主総会が開催された日時及び場所

株主総会の開催された日付だけでなく、何時から何時まで開催されたか、どこで開催されたかの記載が必要です。また、実務上は、株主の総数や議決権数、出席株主の数とその議決権数も併せて記載するのが一般的です。

 

●株主総会の議事の経過の要領およびその結果

株主総会の各議案と、それに対する質疑応答の内容、株主への賛否を諮ったその結果を記載します。「要領」ですから、一言一句を詳細に記載する必要はなく、また、「結果」についても、「次の通り可決した」等の記載があればよく、株主の賛否の数まで記載する必要もありません。

 

●株主総会に出席した取締役や監査役等の氏名

出席した取締役やその他役員等の氏名を記載します。

 

●株主総会の議長が存するときは、議長の氏名

議長がいる場合にはその氏名を記載するように、という規定で、議長を立てること自体は法的義務ではありません。ただし、定款で議長の選出が規定されている場合は、その規定に従い、議長が議事運営にあたる必要があります。通常は代表取締役が議長となることが多いです。

 

●議事録の作成にかかる職務を行った取締役の氏名

議事録の末尾に、議事録作成者たる(代表)取締役の氏名を記載します。

 

それでは、議事録にはその作成者が署名または記名押印する必要があるのでしょうか。

 

実は、現行法上、株主総会議事録の押印について書かれた規定はありません。つまり、原則として、押印すべき法律上の義務はない、ということになります。

 

ただし、実務上、定款に署名または記名押印について規定されている可能性が高く、その場合は、その規定に従って、署名または記名押印することが法的にも求められることになります。旧商法の時代には、議長及び出席取締役による署名義務があったため、慣習上定款で定められていることが多いものと思われます。

 

そしてもし、定款に規定がなくても、議事内容の真実性の担保や、後々の紛争防止という観点から、議事録作成者による記名押印があった方が望ましいと考えます。

 

また、株主総会において代表取締役を選定する場合や、役員選任を行う際に就任承諾をする場合等、一定の役員等の署名又は記名押印が必要となる場合もありますので、この辺りは別途注意が必要です。

 

登記申請やそれに関連する書面作成等のご依頼については、司法書士法人森下法務事務所にお問い合わせください。

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